犬との暮らし

吠えないわたしの育て方

 幼い頃に家族に迎えられたわたし。犬を初めて迎えるにあたって、家族はそれなりに犬の情報を調べたし、母と姉は元来動物好きだったので、動物が取り上げられているテレビ番組もよく視聴していた。父に至っては、実家に犬がいたので、母と姉よりは犬の実態を知る機会があったと言えるだろう。

 そんな彼らは、家に迎えたわたしを「可愛い~。」と眺めつつも、ペットショップから「環境の変化で体調を崩す事もありますし、まだ小さいので基本的にはサークルの中で休ませて、触れ合いは極短時間にして下さいね。」と言われた事をしっかりと守っていた。

 だが、一番わたしの様子を見ていた母がある日気が付いた。「あれ?この子、全然声出さないな……。」と。

家に来た当初から大人しかったわたし

 姉の部屋に置いてあるサークル内で寝ているとはいえ、ペットショップと異なり、すぐ隣で別の犬が寝ている訳ではないのに、わたしは寂しがって鳴いたりしない。ご飯を早くくれとせっついて鳴いたりもしない。お世話や短時間の触れ合いの時以外は、そっと見守るように家族はしていたので、姉の部屋にはわたししかいなかったが、鳴いて家族を呼んだりしない。

 確かにキャバリアという犬種を選んだ理由の1つが、「無駄吠えしない」という特徴であった。だが、まだ子犬なのに、ここまで声を出さずに大人しくしているものなのか、家族は若干心配もし始めていた。

わたしが初めて声を出した時

▲姉のおもちゃをおさがりで。

 そんなわたしが、家に来てからの第一声を家族に聞かせたのは、おもちゃで遊んでいた時であった。

 少し離れた場所から名前を呼ばれて、とことこと向かう、ゆる~い追いかけっこの様な、おいでの様な遊びや、身体に触られる事に慣れる為に、全身撫でられまくってマッサージされている状態での触れ合いが最初は多かった。

 少しずつ、時間が長くなり、もっと身体を使って遊ぼうか、とおもちゃでじゃらされる様になった。おもちゃに夢中になってきて、一心に追いかけている時に遂に出たのだ。「ワンっっ!」という第一声が。

 小型犬の子犬の声だし、威嚇の声では無いので、大声では無かった。吠えても叱られるよりも、家族からは「おおお~!声出たねぇ!」とむしろ歓声が上がる位だった。余りにもわたしが大人しかった為、もしや病気ではと密かに心配されていたらしい。

声を出すのはどんな場面か

 その後のわたしも日常で声を出すのは稀であった。以前もお伝えした様に、わたしは声では無く、目力で訴える性分なのである。相手を見つめ、それでも気付いて貰えない場合は、相手の目の前まで行く。救急車やパトカー等の緊急車両の音にも、わたしは反応しない。

 では声に出して訴えるのはどんなケースなのか。

Case 1 人を呼ぶ為に喋る

 まず、「ワン!」と吠える訳では無いが、病院で大好きな先生を呼ぶ時や、高速道路のトイレ休憩に行った母を呼ぶ時は、目の前に行けないので、声を出す。「アウアウア~ン!」という感じで、吠えるというよりも、喋っているように傍目には見えるらしい。

Case 2 楽しくなって興奮した時

 それから、最初にわたしが声を出した時の様に、遊びがエスカレートして、興奮の余り思わず声が出てしまう場合。ずーっと吠え続ける訳ではないが、ついつい「ワンっ!」と声が出てしまう感じである。

Case 3 テレビに映る動物に向かって吠える

 そして、我が家では朝「めざましテレビ」を視聴しているのだが、その「めざましテレビ」の「きょうのわんこ」のコーナーにわたしは反応してしまうのである。

 じーっとテレビ画面を見て、その時に映っているわんこの動きが激しかったり、吠えていたりすると、わたしも興奮してしまい、「ワンっっ!」と応戦してしまう事がある。他の動物番組でも、動物が画面に映ると注目してしまうし、時に「ワンワンっ!!」と声が出てしまう。

母
外では無暗に他の動物に吠えないけど、自分のテリトリーである家に動物がいる様に見えて警戒するのかな……。

Case 4 来客に母が浮足立った時

 インターホンの音は、基本的にお客さんがやって来るかもしれない合図なので、わたしにとって良い印象だから吠えない。

 しかし、インターホンの音に吠えるケースもある。それは、母がインターホンの音に大きく反応する時である。例えば、時間指定の宅配便を待っていて、「おお!やっと来た!」なんて気持ちで母がインターホンに応答すると、その気持ちはわたしにも伝染するのである。

 一緒に興奮してしまい、ついつい「ワンワンっ!!」なんて声を上げてしまうのだが、「はいはーい。クレートに入っててねー。」と母に指示されると、そそくさとクレートに入って大人しくなるのであった。

▲「ハウス!」の言葉には抗えません。

Case 5 寝ている家族に起きて欲しい時

 わたしは、夜は家族の寝室に設置されているサークルで寝ている。寝る前に大抵トイレは済ませているが、そこは自然現象なので、夜中にサークル内のトイレを使う事もある。その時は、仕方無く、家族に起きて掃除して貰う為に、声を出す。

 夜中なので大きな声を出すのはマナー違反なので、最初は「ウウウウ……。」と小声で。それで起きてくれれば良いが、家族の眠りが深い場合は徐々に「ウワフっ。ウワフっ。」「ワンっ!」という風に声を大きくしていく。寝ぼけ眼で掃除をしている母には申し訳無いが、綺麗な状態で休みたいのだから仕方が無い。

Case 6 何か見えてます……?

 偶に、階段から家の外に向かって「ウ~っっ……。ワンっっ!!」と吠えてしまう事がある。

母
犬は人よりも聴覚とか優れてるって言うけど、何もない所に向かって、警戒してる様子で吠えてるのって、何か聞こえたりしてるのかな?

姉
その時は多分嫌な音が聞こえてたんじゃない?

母
夜中に何も無い空間に向かって唸ってる時もあったよね?何が見えてるのか聞こえてるのか、めちゃめちゃ怖かったんだけど?!

姉
幽霊だったりして……?怖っっ!(৹˃ᗝ˂৹)

考察 わたしが大人しいまま成長した理由

 態とわたしを興奮させるのでなければ、声を出している方がレアというわたし。勿論、犬それぞれに個性があるので、キャバリアだからといって絶対に静かとは断言できない。

 では、わたしの場合は何故普段声を出さないのか。

理由 その1 「性格」

 まず、本来の性格が大らかというか、あんまり神経質では無い。これは生まれ持ったものなので、他のお宅で参考にはならないかもしれない。犬をお迎えする際は、その犬と暫く接してみて、性格を見極めて欲しい。

理由 その2 「リーダーは別にいる」

 そして、わたしは家族のリーダーでは無い。わたしにとってのリーダーは、母である。父や姉がわたしの世話を焼く事もあるが、ほぼ一緒に居て、何某かの判断が求められた時に決断するのは母である。

 インターホンの対応もそうだし、テリトリーである家の安全を守っているのも母の役割である。だからわたしは母の指示を仰げば済むので、自分が家を守る為に番犬の役割を担うことは無い。もし番犬としての役割を任されていたら、些細な音にも常に注意し、警戒を家族に知らせる為に頻繁に吠えていた事だろう。

理由 その3 「行動の決定権は母に有り」

 同じくリーダーが母である為に、行動の予定は母任せになる。買い物に先に行くのか、散歩に先に行くのか、散歩に出るなら、天気を見て気温を考慮して何時くらいに出るのか、母が全て決める。

 行動がパターン化して、常にこの順番、この時間に何をするかが決まっていたとしたら、「もう散歩に出る時間だぞ。」「ご飯の時間だぞ。」と催促の1つもしたくなるかもしれないが、母は敢えて要求吠えをさせない様に、ルーティーンを外す様にしている。

理由 その4 「声を出す前に理解して貰える」

 また、普段の生活の中で、声に訴えなくても母はこちらの気持ちを汲んでくれているので、出す必要が無い。甘やかされているのでは無く、アイコンタクトや態度で、こちらの意図を理解している事を伝えて貰うと安心感が生まれる。その上で、母がわたしの要求を受け入れてくれる時もあるし、駄目なものは駄目と伝えられる事もある。

 吠えないと伝わらないのでは無く、吠えなくても伝わるから吠える必要が無い。

理由 その5 「興奮したらクールダウン」

 万が一興奮してわたしが吠えた時は、母は大きな声を出さない。水掛け論になるからだ。わたしを落ち着かせる為に、「ハウス」や「お座り」「伏せ」「待て」等の別の指示を出し、わたしが次の指示を待つ様に仕向ける。

ぴしっとお座り!

伏せも上手!

ごろんまで勝手に。

理由 その6 「普段の姿を褒められる」

 日常、あまり声を出さない姿でいる時に、家族はわたしを褒めてくれる。こちらが何もしない状態でも「可愛いね~。」と可愛がるのである。このままの状態でいる事が、良い事なのだと認められているのだから、気負わずに在るがままでいるのである。

おわりに

 犬が吠えるのはあくまでもコミュニケーション手段の1つであり、絶対の方法では無い。声を出している時はきちんと理由があるので、何故吠えているのか、よーく観察して、しっかり理由を考えて欲しい。そして、吠えずにいられる時は褒めて、それが求められている姿なんだよ、と教えてあげて欲しい。

 

▲人をダメにするクッションは犬もダメにする。
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