わたしの散歩は、母と二人の時間である。朝ご飯が済み、姉が登校すると、そろそろ準備が始まるかな、と母の動きが見える位置で様子を窺っている。
母は、散歩の時に持って行くウエストバッグに、水やゴミ袋、それからわたしの大切なフードを補充していく。その後、洋服と首輪を持ってわたしに近づいて来る。
服を着させられない様に、一旦逃げてみる日もあれば、大人しく頭だけ通した後、抗議の意思で「ウウウ。」と声を控えめに出す事もある。形だけ、服を着せていく母の手を邪魔する様に、口を開けて着たくないと主張する事もある。
まぁ、逃げてみても「ハウス」の指示には従うので、直ぐに捕まってしまう。口を開けてみても、母は片方の手でわたしの頭の向きを固定しているので、意に介さずに、さっさとわたしの前脚を袖に通してしまう。
それでも、ほんの少しの抵抗をするのは、服は好きじゃないというわたしの気持ちを伝える為である。
偶には最初から素直に着る事もあり、そんな時は母が褒めてくれる。母もずっとわたしに服を着せている訳では無いので、必要ならば多少の事は受け入れよう。
いざ家を出て、歩き始めると、途中幾つかの分岐点がある。散歩のコースは1つでは無い。わたしの体調や気分転換を考えて、母が選んでいる。
この道は公園の方だな、とか、駅の方だな、以前の家があった辺りに向かっているな、と分岐点を通過する毎に、段々今日の歩くコースがわたしにも予想が付いてくる。
じゃぁ、あそこで匂いチェックをしよう、とか、あそこまで歩いたらそろそろフードが貰える頃合いかな、とか考えるのである。
……しかし、つい先日、このコースは想定外だな、と目的地に着く間際まで予想出来なかった事があった。
そこは最近行ったばかりの病院だったのである。
今の家に引っ越しをしてから、病院までは歩いて行けるものの、交通量の点等、歩き易いコースからは少し外れているので、散歩の序に立ち寄る事は無くなった。
そして、診察の為に病院へ向かう時は、散歩とは異なる鞄が増えるので、朝の支度の時点でわたしにも予想がつくのである。(増えた鞄には、財布や手帳、処方して貰った薬を入れている。)自ずとそちらの道に母を先導するくらいである。
寝耳に水ではあったが、病院はわたしにとって、色々な人(先生・看護師さん・飼い主さん)に構って貰える良い場所なので、喜んで扉を潜った。
ところが、先生に会う事も無く、受付の看護師さんと母が少し話しただけで帰る事になった。どうやら、今朝散歩前に家で排泄した時に、検査用の便を採取出来た為、提出しに来ただけだったらしい。
他に患畜さんもいなかったので、誰にも構って貰えずに帰る羽目になってしまった……。
次に検体を提出する時は、飼い主さんたちに構って貰いたいものである。
ぬしさまの目線ブログですねこちらは、風がすごくて、外にはでたもののすぐに帰ってきました
しおりん様
風はこちらも強かったです。
どうやら明日から寒さがぶり返してきそうなので、体調にお気を付け下さいね。