お手入れ

歯磨きへの慣らし方

 わたしは毎日歯磨きをして貰っている。犬も歯周病になり、そこから大きな病気に罹ってしまう事もあるからである。わたしの歯が乳歯から永久歯に生え変わる頃から、徐々に練習を始め、慣らされていった。今回は、歯磨きの習慣を身に付けるまでの体験をお伝えしたいと思う。

 母はわたしが健康に育つ様に、色々犬に纏わる本を読み漁ったり、インターネットで犬を飼っている方々のブログを読んで情報を集めていた。歯磨きをした方が良いというのも、そういった情報に基づいての事であった。もし歯周病に罹って治療が必要になったら、全身麻酔のリスクも生じてしまう。日々のお手入れは、健康には欠かせないのである。

デンタルガムは毛に絡まる

 乳児も、口に歯ブラシを入れられる事に最初は抵抗があるだろう。言葉の通じない犬であるならば、尚の事である。段階を踏んで時間を掛けて慣らして行き、その間も出来るだけ歯をきれいに保つ為に、デンタルガムを併用していた。

 デンタルガムは本来噛む事で歯をきれいにする物だが、味も噛み心地も気に入って好んで食べていた。そう、人のガムの様に、ずっと口に入れて噛み続けるのでは無く、わたしにとっては食べ物だったのだ。他のフードと同じ様に、飲み込める大きさになればすぐに丸呑み。母はわたしが丸呑みしない様に、デンタルガムを一生懸命掴んでいたが、ある程度の大きさになってしまえば掴む所も無くなってしまう。口に入ればすぐにごっくんである。

 勿論食べられる素材で出来ているので、食べる事に問題は無いのだが、これに因り、困った事が起きたのだ。

 デンタルガムは、噛み千切った大きさのまま、未消化で排泄されてきてしまった。これが不味い事に、排泄された時にわたしの毛に絡みついてしまう。母は、わたしの毛に絡まったガムを取り除くのに大変苦労し、デンタルガムの使用をやめたのであった。その代わりにロープのおもちゃが多用される事になった。

歯磨きへの道

Step1 口元を撫でる

 歯磨きの最初の段階は、口元を撫でられる事から始まった。

 犬にとって、マズルは触られたくない場所である。口の中に触る前に、まずマズルを撫でられる事に抵抗をしない様時間を掛けられた。体を撫でる延長で、首を撫で、顎を撫で、口元を撫で、という感じである。

 わたしは元来人好きなので、口タプをもしょもしょされるのも、そこまで嫌がらないので、楽な方だったと思う。何せ、お散歩で出会う家族以外の人にも、口タプを撫でさせてあげる位サービス精神旺盛なのだから。

Step2 ウェットシートで歯を拭く 

 次はいよいよ口の中を触る。歯磨き用のウェットシートを指に巻き付けて歯の外側を撫でていく。歯ブラシのギザギザでは無く、拭き取られる方がまだ刺激が少ないので、容認できる。

 口タプを捲り、「いーっ。」の歯が噛み合わされた状態の外側を、短時間優しく撫でるのがコツである。無理に口を開けさせて内側を触ろうとすれば、がぶりといきたくなってしまうかもしれない。わたしの場合は前歯よりも、奥歯の方が抵抗が無い。

利き手の人差し指に巻き付ける。

優しく撫でるように。

Step3 デンタルジェルを付けた布で拭く

 ウェットシートの次は、指サック状になっている歯磨き用の布に、デンタルジェルを付けて歯を拭いていく。ウェットシートの時と基本は同じ動きだが、ジェルが付いている事で、舐め取ろうとして口が少し開く。その際に少しずつ内側も触ってみて、徐々に慣らしていく。

 慣れてきたところで、ついつい1回で全ての歯をきれいにしようと時間が長くなりがちだが、朝は右の外側、昼は左の外側、夜は触れる範囲の内側、という様に、1回の歯磨き時間は短く全体を磨く為に回数でカバーした方が良い。

Step4 歯ブラシで磨く

 やっと歯ブラシの登場である。歯ブラシにデンタルジェルを付けて、磨いていくのだが、ウェットシートや布と違って、歯ブラシは口タプに当たったりすると、ちくちくする。皮膚に触れない様に、しっかりと口タプを捲るのがコツである。我が家では、乳児の仕上げ磨き用のブラシ部分が小さい物を使っている。その方がブラシの毛も柔らかめだし、先端が小さい方が口に入れ易い。

 歯ブラシだと、がぶがぶされても安全なので、口が少し開いた時に内側も磨きやすくなる。だが、しつこく長く磨かれると、嫌になってしまうので、短時間にポイントを絞って磨、イライラする前に終わらせてあげる様に。歯ブラシを見ただけでも唸ったり、逃げてしまっては困るからだ。

 最初は布磨きが中心で、歯ブラシはデンタルジェルを舐めるついでに口に少し入れる位で良いと思う。歯ブラシを口に入れる事に慣れたら、ちょっと磨く。

口タプはしっかり捲って。

当てやすい方向に工夫して。

  • 出来るだけ子犬の頃からマズルに触る事に慣らす。
  • 1回の歯磨き時間は短く、回数を増やして磨く範囲をカバーする。
  • 歯の外側から始め、徐々に内側を触れる様に慣らす。
  • しっかりと口タプを捲り、皮膚に歯ブラシが当たらない様にする。
  • 歯ブラシの慣らし始めは、ウェットシートや布磨きをメインに併用する。
  • 犬と人との信頼関係をしっかり築く。

おわりに

 現在では、わたしは朝晩のご飯の最後に、デンタルジェルを付けた歯ブラシで歯磨きをするのを習慣としている。

 人だって、異物を無理に口に押し込まれたら嫌であろう。犬には異物を押し込まれる意図が分からない。だから、我慢できる様になるまで、時間を掛けて慣らして欲しいし、上手く出来たらしっかり褒めて欲しい。

 出来るならば、本当にまだ乳歯の頃の段階から、口に触る事に慣れさせて欲しい。そして、身体に触れる事を許すのは、信頼関係があっての事だと理解して欲しい。信頼関係があればこそ、本当は嫌な事も我慢できるのである。

 

▲キャバリアと言えば口タプです。
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