お手入れ

足裏バリカン vs 抵抗するわたし

 わたしの被毛は、キャバリア特有のふわふわもふもふである。

 だが、トイプードルさんたちと違って、基本的にはトリミングサロンに行かずにお手入れが可能である。プロのトリマーさんのカットが必須では無い、というのがわたしが家族に迎えられた理由の1つでもあった。

 自宅で母が定期的にシャンプーし、足裏やお尻周り、場合に依っては足の飾り毛をバリカンで刈っている。今回はそのバリカンのお話をさせて頂こうと思う。

わたしのお手入れ事情

▲もふもふのわたし

 そもそもキャバリアはシャンプーが大変である。洗うのはまぁ母曰く大丈夫なのだが、その後乾かすのに時間が掛かる。(我が家では、洗うのに20分くらい、乾かすのに1時間ちょっとかかる。) なので、キャバリア飼いさんのお宅ではトリミングサロンに毎回お世話になっている場合も多いかもしれない。

 そうすると、足裏のバリカンもセットで済ませて貰う事になるので、トリミングサロン派の方はご自宅ではした事が無いだろう。自宅で初心者がお手入れしたら、ちょっと慣れるまで大変でしたよ、という体験談である。

 もふもふのわたしは、大体2~3週間で足裏の毛が伸びて肉球が覆われ、滑りやすくなってしまう。フローリングで少し足を取られやすくなったり、お散歩の後に足を拭いて貰っている時に汚れを絡めてきて、伸びてきたな、と母が感じるとバリカン実行である。

 わたしが家族の下に来てから、トリミングサロンでシャンプー・足裏カット・爪切りをしてもらったのは1回だけである。後は母が父と試行錯誤し、今現在バリカンは母が1人で行っている。

バリカン嫌いなわたしとお手入れしたい家族

 最初から、わたしが大人しくバリカンされていたと思ったら大間違いである。

 バリカンの音は気になるし、肉球はめちゃめちゃ敏感な所なので、バリカンが当たる感触は嫌だし、しばらく拘束されているのも嫌だった。普通の家にトリミング台など無いので、わたしを毛刈りの間捕まえておく為に、母が抱っこして保定。父がバリカンで足裏の毛を刈る。そういった役割分担で行われていたのだが、先程も述べた通り、わたしにとってバリカンは嫌な事、気に入らない事でしか無く、じっとはせずに逃げ出そうとじたばた動きまくっていた。

食べ物作戦

 このままでは事が進まないので、母はわたしの気を逸らして大人しくさせる為に、コングという食べ物を中に入れるおもちゃを使った。コングの奥に詰まった食べ物を、何とかして食べようとわたしが格闘している間は毛刈りが出来る、がしかし、そこまで長い時間は持たない。食べ終わって我に返ったわたしが、バリカンを持つ手を抗議を込めてがぶがぶ噛むのも時間の問題であった。

アヒルの口輪作戦

 噛まれなければ、意地でも保定し続けて毛刈り出来るのでは、と考えた家族はアヒルの嘴の形の口輪も用意してみた。だが、悲しいかなキャバリアのマズルは短くて、少しわたしが暴れると口輪はすぐに外れてしまったのであった。食べ物で気を逸らすのは短時間では有効な手段だが、食べ物に集中し過ぎて身を乗り出そうと動いたり、無くなったと認識した瞬間に抱っこから逃げようと暴れたり、大人しく抱っこの姿勢を保つのには向かない面もあった。

鋏で切ってみよう作戦

 バリカンの音や動く感触が気に入らないのであれば、鋏で切ってみるのはどうかと試した事もあった。姉が幼い頃に使っていた、赤ちゃん用の小さな爪切り鋏で、先端が丸くなっている物である。確かにバリカンの時よりはじっとしていたが、指の間や肉球の隙間等細かい部分には使い辛く、バリカンと異なって手元が狂うと怪我に即繋がるので、鋏は使わない事になった。

結局ちまちま作戦

 食べ物で釣りつつ、その間だけ毛刈り、というスタンスが仕方無く続き、前脚後脚を1度に済ませるのでは無く、1脚ずつ1回の時間は手短に済ませる様になっていった。この、手短に、出来る範囲をちまちまと、という作戦が功を奏し、わたしは少しずつバリカンに慣れていった。しかし、「ちまちまと」、なので父のいる土日だけでは中々成果が上がらず、毛が長いままの脚が次の週末まで残る事態となり、全体がすっきりしている状態を保つ事が難しかった。

バリカンする人物が重要

▲脚を掴まれるわたし

▲そして刈られるのをじっと耐えるわたし

 業を煮やした母は、父に頼らず、平日にわたしを抱っこしながら自分でバリカンを使い始めた。勿論、母はわたしを抱っこしてバリカンも持たなくてはならないので、食べ物は無しの状態である。すると、意外とこれが上手くいったのだ。

 バリカンをする際、誰がわたしの脚を持ち、バリカンを当てるかが、わたしにとっては重要だったという事である。家に迎えられた頃より、一番わたしと過ごす時間が長く、わたしの食事・散歩・しつけ・お手入れに一番関わっていたのは、母である。抱っこやお手等も母には抵抗無くするようになっていた。バリカンも短時間の間ならば、母が相手では仕方ないと許したのだ。

 短時間に後脚であるならば、わたしも我慢して受け入れるようになり、徐々に前脚も、という様に慣らされていったのであった。こうして平日もバリカンで毛刈り出来るようになり、わたしの足裏事情は改善されていった。余談ではあるが、今でも父に肉球を触られるのを、わたしは良しとしていない。しつこく触ろうとしてくると、わたしの教育的指導が入る事になる。

 わたしも反抗期を過ぎ、大人の対応が出来るようになり、甘んじてバリカンを受け入れる姿勢に成長した。ちょっとだけわたしが我慢していれば、速く済むという事実を理解したのもある。

慣れたわたしの毛刈り風景

 今の毛刈りの様子は、脱衣所に抱っこで連れていかれ、バリカンとゴミ箱を準備されたらスタートである。

 バリカンは、まず使い初めにスイッチを入れた状態で母の掌に当てて、刃こぼれが無いか、皮膚に当てて怪我をしないかチェックされる。抱っこをされた状態で、わたしが嫌がり難い後脚の足裏からつるつるにされる。

 足裏をぐっと開くようにして、肉球の隙間や、指の間も丁寧に刈られる。ついでに地面に着きやすい範囲の足の飾り毛も短く刈られる。その後、お尻の周囲の毛を汚れない様に短くされ、お次は前脚である。前脚はより敏感なので、ついついバリカンが当てられた時に、すっ、と前脚を逃したりしてしまう。感触が気になってしまうのだ。

 それでも逃げる度に母に再度肉球を開かれ、つるつるにされていく。

嫌がり難い周りから刈っていく

肉球周りはとことんつるつるに

 最早この辺りまで経つと、抱っこされている状態で身を完全に委ね、わたしは船をこぎ始める。ぶぶぶぶ~っと鼻鼾までかく始末である。前脚の飾り毛も地面に擦って汚さない程度の長さに揃えたら、やっと解放される。  

 ゴミ箱にちょこちょことわたしの毛を捨てていても、脱衣所の床には結構な量の毛が積もっていて掃除機で吸い込む。わたしの体に引っ付いた毛もあるので、最後に丁寧にスリッカーブラシで取り除けば脱衣所から退室の許可が出る。

毛がふさふさの足裏

つるつるにされた足裏

 その後、わたしが期待に満ちた眼差しで見上げると、母はご褒美をくれるお約束の展開なのである。

 いや、決してご褒美が目的でじっとしている心算では、、、、、、。

▲報酬は忘れずに!
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