お手入れ

ブラッシングでリラックス

 わたしたちキャバリアの被毛は、細く長い。アンダーコートが細かく生えているので、絡まり易い。この被毛を綺麗に保つ為には、ブラッシングは必須である。

 家に迎えられたばかりの幼いわたしは、まだ被毛も生えそろっていなかったので、ブラッシングは短時間で直ぐ終わるものであった。しかし、いずれわたしがもふもふに成長するのを見越して、母は早い段階からブラッシングに慣れさせていた。

▲ブラッシングは抱っこで。

 一般の家庭にトリミング台がある訳も無いので、わたしが途中でふらふら何処かへ行かない様に、抱っこをしてブラッシングをされる。元々抱っこされたまま、お昼寝したりもしていたので、初期の頃のブラッシングはマッサージを軽く受けているみたいなものである。

様々なブラシ・コーム

 わたしをブラッシングする際には、母は数種類のブラシ・コームを用途別に使い分けている。普段何を使っているのか、簡単にご紹介しよう。

スリッカーブラシ

 最初にスリッカーブラシでブラッシングを始められたのだが、これは力加減の習得が必要である。スリッカーブラシとは、くの字に曲がった針金が沢山付いている物である。このスリッカーブラシ、抜け毛を取り除くには優秀なのだが、強く押し当てられてしまうと、痛いのである。

▲スリッカーブラシ。

 使いこなすポイントは、ブラシの柄を鉛筆を持つ様に握り、優しく梳く事である。特に、ブラッシングの練習始めたてのわたしは、被毛がまだ短く、ブラシの先が直ぐ皮膚に触ってしまっていたのである。

コーム

 次にブラッシングに導入されたのが、コームである。脚の飾り毛や、胸の柔らかい毛を整える為に、使われ始めた。コームは粗歯と細歯が組み合わさっている。粗歯で絡まりを梳き、細歯で毛並みを整える事が出来る。

▲コーム。歯の細かさが分かれている。

 更に、このコームの細歯を皮膚と平行に滑らして行く事で、アンダーコートの抜け毛をごっそり取り除けるのである。歯先は丸くなっているので、梳く時に皮膚に当たって痛む事も無い。難点は、静電気が発生し易い事であろうか。母は、静電気を防止する為にも、ボディスプレーをわたしに掛けてから、ブラッシングをしている。

クッションピンブラシ

 クッションピンブラシは、クッション性のある土台にピンが付いているブラシで、ピンの間隔はかなり空いている。被毛の絡まりを梳くという目的では無く、皮膚のマッサージとして母は使っている。ピンの先端は丸くなっているし、土台のクッション部分が力加減も上手く吸収してくれる。

▲現在使用している物は、ピンブラシと獣毛ブラシが一体になっている。

 全体の被毛の抜け毛除去、絡まり除去が済んだ後で、追加のマッサージとして行われる。手で撫でられるのも大好きだが、ピンブラシで梳かされるのも、気持ちが良くて好きである。

獣毛ブラシ

 最後に導入されたのが、獣毛ブラシである。これは、仕上げにわたしの被毛に艶を出す為に使われている。細かい埃も取れるし、静電気が発生しないのも良い。艶々にされるべく満遍なく撫でられる頃には、わたしは深い眠りへと誘われている。

▲睡魔が……。

ブラッシングで健康管理

 ブラッシングをする目的は、第1には勿論お手入れ・健康管理であろう。抜け毛をしっかり取り除いておかなくては、皮膚が蒸れ易くなってしまい、肌トラブルが起きてしまう。ブラッシングをする事で、被毛に隠れている肌が見易くなり、肌表面の状態を確認し易くなる。

▲毛の絡まりは早めに解さないと、どんどん大きく育ってしまう!

コミュニケーション手段にも

 また、ブラッシングを毎日のお手入れで行う事で、母はわたしの身体の色々な部分を触る事になる。それは、言葉の通じない者同士でも、身体に触って貰い、自分の身を委ねる事で、信頼している事を伝えている。

 ずっと継続してわたしの身を預けている母だからこそ、大人しくブラッシングを受けているのであって、普段わたしのお手入れをしない人には、そうそう自分の身を預ける事は出来ないのである。

▲アンダーコートの抜け毛もしっかり取り除いて、通気性を良くしよう。

 中には、ブラッシングが苦手というわんこもいる。その場合は、身体に触られる事に慣らす事から始めていって欲しい。手袋に、ブラシの機能を付けている物もあるので、まずはそういった物で、抵抗の少ない背中を撫でてみる。徐々に全身を撫でられる様になったら、獣毛ブラシでブラッシングしてみる。歯の粗いものから少しずつ試してみると良いであろう。

 ブラッシングを託せるだけの信頼を勝ち取れる様に、毎日短時間であってもコミュニケーションの一環として、続けてみて欲しい。

▲身体のあらゆる所をブラッシング。

ブラッシングはリラックスタイム

 幼い頃から母にブラッシングをして貰っているわたしにとっては、ブラッシングは最高のリラックスタイムである。人にとっての、美容院でのシャンプーと同じものだと思う。

 汚れを取り除いて貰って綺麗になる。抜け毛を取って、蒸れ無い様にすっきりする。ピンブラシはさながらツボ押しである。身体中をマッサージされて血行も良くなり、抱っこされて、母の心音を聞きながら、うとうとと眠りの世界に入って行く。獣毛ブラシは手で撫でられるよりも、ほんの少し刺激があって気持ち良い。

▲ブラッシング中は完全に脱力。

 母も、わたしのブラッシングをしながら、リラックスしている。温かいわたしを抱きかかえ、単調なリズムで手を動かしていく内に、母もリラックスモードに入り、眠くなっていく。ブラッシングが終わっても、お互いそのままソファーでごろごろする事もある。

 信頼のおける相手とのコミュニケーションは、いつだって心安らぐものなのである。

▲一緒にリラックス。
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